2026年11月の米中間選挙で民主党が上下両院の過半数を握り、外国為替市場ではドル売りが広がりました。株式は朝方のナスダック先物2%超の急落から、欧州時間にかけて反発しています。金は約3%上昇し、1オンス=4,030〜4,040ドル近辺で推移しました。ドル安・金高の流れがこのまま続くかは、米国株が欧州時間の持ち直しを維持できるかと、トランプ大統領のイラン対応次第です。

何が起きたのか

米中間選挙は、民主党が上院・下院の両方を制する結果になりました。ワシントンで政権を担ってきた共和党にとっては大きな打撃です。トランプ大統領は「多くの課題で民主党と協力できる」と述べて事態を和らげようとしました。一方で「選挙結果は受け入れる」とも語り、敗北を認める姿勢を示しています。

市場の最初の反応は、ドル売りとハイテク株の急落でした。今回の選挙戦では、人工知能(AI)やデータセンターに強く反対する訴えが目立ちました。そのためハイテク株への警戒が一気に強まり、ナスダック先物は一時2%を超えて下落しました。

ところが欧州時間に入ると、米株先物は下げ幅を徐々に縮めました。ウォール街の取引開始前の時点で、S&P500先物は前日比+1.0%、ナスダック先物は+0.4%まで戻しています。欧州株も堅調で、原油価格は上げ幅を縮める方向でした。債券市場は様子見で、大きな動きはありませんでした。

一方、ドルは株ほど戻れませんでした。ユーロドルは+0.6%の1.1260ドル、豪ドル米ドルも+0.6%の0.7010ドルまで上昇しています。ドル安が続いたことで、ドル建てで取引される金が買われました。

要点まとめ

項目 内容
選挙結果 民主党が上院・下院の両方で勝利(2026年11月の米中間選挙)
株式 ナスダック先物は朝方2%超下落後、+0.4%へ。S&P500先物は+1.0%(11月5日欧州時間)
ユーロドル 前日比+0.6%、1.1260ドル(11月5日欧州時間)
豪ドル米ドル 前日比+0.6%、0.7010ドル(11月5日欧州時間)
金 約3%上昇、4,030〜4,040ドル近辺で推移(11月5日欧州時間)

なぜ重要なのか・市場への影響

議会の上下両院で与野党が分かれる状態は「ねじれ」と呼ばれます。ねじれになると、政権が望む減税や大型支出などの政策は通りにくくなります。市場はこれを、財政拡大期待の後退と、政策の不透明感の両面で受け止めやすくなります。今回のドル売りは、こうした政策運営への見直しが背景にあると考えられます。

株式市場では、AI関連への逆風という新しい論点が出ました。選挙戦でデータセンター批判が強かったため、ハイテク株が先に売られました。ただし半導体のAMDやネットワーク機器のアリスタが好調との見方もあり、悪材料一色ではありません。これが朝方の急落からの戻りを支えた可能性があります。

金はドル安と株高によるリスク選好の改善を受けて、4,000ドルを大きく上回りました。通常、ドル安は金の追い風になります。また、地政学リスクやインフレ警戒が残る間は、金は下値が支えられやすい面があります。

注意したいのは債券市場です。株にとっての好材料が、金利上昇を通じて債券には悪材料になる可能性が議論されています。今日は債券の動きは限定的でしたが、今後の波乱要因として意識しておきたい点です。

通貨ペア・市場別の見方

  • ユーロドル:1.1260ドルまで上昇しました。ドル安が続けば上値を試しやすい一方、米株が再び崩れてリスク回避に傾くと、反動でドルが買い戻される場面も想定されます。
  • 豪ドル米ドル:0.7010ドルと節目の0.70台を回復しました。リスク選好に敏感な通貨のため、株価の持ち直しが続くかを見る材料になります。
  • ドル円:今回の材料には具体的な水準が含まれていません。ドル全面安の流れでは下方向の圧力がかかりやすい一方、日本の金融政策や米金利の動きにも左右されます。方向を決めつけず、米長期金利とあわせて確認してください。
  • 金:4,000ドルの大台を維持できるかが焦点です。4,030〜4,040ドル近辺の定着が目先の目安になります。

今後の注目点

  • ウォール街の取引時間中に、米株が欧州時間の上昇を維持できるか
  • トランプ大統領がイランへの対応で、外交解決に動くか軍事行動を強めるか
  • AIへの懸念とインフレ懸念が、再び市場の主題に戻るか
  • 米国債利回りの動き(株高が債券売りにつながるか)
  • 新議会での予算や政策をめぐる与野党の協議の行方

よくある質問

Q. 民主党が勝つとなぜドルが売られたのですか?

政策が進みにくくなり、先行きの不透明感が高まったためと考えられます。財政拡大への期待が後退した面もあります。ただし、動きの理由は一つに絞れません。

Q. なぜ株は急落のあと戻したのですか?

朝方はAI関連株への警戒で売りが先行しましたが、売られ過ぎの修正や好調な個別企業の存在で買い戻しが入ったとみられます。ただ、この戻りが続くかはまだ分かりません。

Q. 為替取引では何に気をつければよいですか?

イラン情勢で相場が急変するリスクに注意が必要です。外交に傾くか軍事行動を強めるかで、市場の反応は大きく変わります。レバレッジを抑え、損切りの水準をあらかじめ決めておくことが大切です。

出典: ForexLive(海外発の公開情報を編集部が翻訳・解説)

※本記事は海外の公開情報をもとにマネチャ編集部が翻訳・要約・解説したものです。特定の取引や投資を推奨するものではなく、投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。相場・経済情勢は常に変動し、情報が後に修正される場合があります。