28日(月)のドル円は157.25円近辺でほぼ横ばいとなりました。日本の通貨当局トップの三村財務官が円安への警戒を改めて示す一方、FRB(米連邦準備制度理事会)の追加利上げ観測と日米の金利差がドル高を支えています。介入警戒による上値の重さと、ドル買い材料による下値の堅さがぶつかり合い、160円に近づくほど神経質な展開になりやすい局面です。今週は米国の重要指標が続くため、値動きが大きくなる可能性があります。
何が起きたのか
28日のドル円は157.25円前後で小動きでした。ドルも直近の高値圏で推移しています。市場では、中東情勢と日本の為替介入リスクの両方が意識されました。
円は日中、一時買われました。三村財務官が円安をけん制したためです。財務官は、日米が発した「非常に明確なメッセージ」を額面どおりに受け取るべきだと述べました。直近の円の動きには満足も安心もしていないとも語っています。一方で、再び介入するかどうかについてはコメントを避けました。さらに、追加の市場対応に必要な資金の調達力に不安はないと強調しています。
日本は今年、4月と7月に介入を行った経緯があります。今回の発言は、当局が引き続き行動できる態勢にあることを示すものと受け止められます。
中東情勢も材料になっています。米当局者はアルジャジーラに対し、仲介役を通じたイランとの協議は前向きに進んでいるとしつつ、核問題への対応が合意の条件だと述べました。米メディアは、トランプ大統領が核問題で具体的な進展があれば制裁緩和に応じる姿勢だと伝えています。さらにアルハダスは、イランが制裁緩和と引き換えにウラン濃縮の停止で合意したと関係筋の話として報じましたが、独立した裏付けはまだありません。
要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドル円の水準 | 157.25円近辺で横ばい(9月28日) |
| 日本の当局者発言 | 三村財務官が円安への警戒を再表明。介入の有無には言及せず(9月28日) |
| 過去の介入 | 4月と7月に実施 |
| 米10年債利回り | 5.27%と2007年以来の高水準(9月28日時点) |
| 日本10年債利回り | 3.1%近辺と1996年以来の高水準(9月28日時点) |
| FRBの政策 | 9月15〜16日の会合で0.25%利上げ。10月の追加利上げ確率は約70%(先物市場の織り込み) |
なぜ重要なのか・市場への影響
最大のポイントは、日米の金利差がドル円を押し上げる力と、介入警戒がそれを抑える力が拮抗していることです。米10年債利回りは5.27%と2007年以来の高さで、日本の10年債利回りも3.1%と1996年以来の高さにあります。日本側の金利も上がってはいますが、米国との差は依然として大きく、ドルを持つ魅力が保たれています。
背景には、エネルギー価格に押し上げられたインフレへの警戒があります。物価上昇が長引けば、各国の中央銀行が引き締めを続けるとの見方が強まり、債券利回りが高止まりします。中東情勢が落ち着き、原油価格とインフレ懸念が和らげば、利回りとドルの上昇にも一服感が出る可能性があります。ただし、イランに関する報道は未確認の部分が多く、材料視しすぎるのは禁物です。
日銀は緩やかな引き締めを続けていますが、FRBの追加利上げ観測に比べると、円を買う力としては弱いとみられています。そのため、円高方向の動きは当局の発言や介入への警戒に頼る面が大きくなっています。
通貨ペア・市場別の見方
- ドル円:基調はドル高優位ですが、160円に近づくほど介入リスクが高まります。上昇局面は160円手前で値動きが荒くなりやすく、急落にも注意が必要です。介入は短時間で数円動くことがあるため、高値追いのポジションは損切り幅を意識しましょう。
- ユーロドル:FRBの利上げ観測と米長期金利の高さはドル買い材料で、上値を抑えやすい構図です。原油高が続けば欧州のインフレ懸念も残るため、ドルとの相対的な金融政策の見方が焦点になります。
- ポンド円・ユーロ円:円が売られやすい地合いでは上昇しやすい一方、介入が入るとドル円と同様に急落する恐れがあります。クロス円は円の動きの影響が大きい点に注意してください。
- 原油・金利:中東協議が進展すれば原油安と利回り低下につながり、ドル高の勢いがやや弱まる可能性があります。
いずれも一つのシナリオであり、結果を保証するものではありません。
今後の注目点
- 9月30日(水):米個人消費支出(PCE)物価指数。FRBが重視するインフレ指標で、10月の利上げ判断に影響します。
- 10月1日(木):米ISM製造業景況指数。景気の強弱とエネルギー価格の影響を確認します。
- 10月2日(金):米雇用統計。雇用が強ければ追加利上げ観測が強まりやすくなります。
- 財務官や財務相の発言と、160円近辺での値動きの変化
- 米国とイランの協議の進展と、原油価格の反応
- 日銀の今後の政策運営に関する発言
よくある質問
Q. 為替介入は本当にまた行われるのでしょうか?
現時点では分かりません。財務官は介入の有無について明言を避けましたが、警戒を強める発言は続けています。日本は4月と7月に介入した実績があり、160円に近づけば警戒度はさらに高まるとみられます。
Q. なぜ日本の金利が上がっても円は買われにくいのですか?
米国の金利のほうが大幅に高く、金利差が依然として大きいためです。日本の10年債利回りは1996年以来の3.1%近辺ですが、米10年債は5.27%です。高い金利を求めるお金がドルに向かいやすい状況です。
Q. 今週いちばん注意すべき指標は何ですか?
10月2日の米雇用統計が最も影響が大きいとみられますが、その前の30日のPCE物価指数も重要です。両方とも10月の追加利上げの可否に直結するため、発表前後は値動きが急になりやすくなります。ポジション量には余裕を持たせましょう。
出典: FXStreet(海外発の公開情報を編集部が翻訳・解説)
※本記事は海外の公開情報をもとにマネチャ編集部が翻訳・要約・解説したものです。特定の取引や投資を推奨するものではなく、投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。相場・経済情勢は常に変動し、情報が後に修正される場合があります。